Flow
フロー
こけしづくりの工程を詳細にご紹介
原木の選定からはじまり、皮むき、乾燥、粗磨き、そして繊細な絵付けに至るまで、職人たちがどのようにして一つひとつのこけしを作り上げているかをご紹介しています。製作に込められた職人の熟練の技術と、作業に対する情熱を感じていただける説明に努めてまいります。製作過程についての理解を深めることは、こけしの魅力をお伝えしていく上でも大切な一歩となります。
原木の皮むき、乾燥、
木取りまでの工程
こけしの製作は、素材選びからはじまります。使用する原木は、群馬の豊かな山々から選ばれたもので、品質を決める大きな要素のひとつです。原木の皮を剥ぎ取った後、木材はその本来の美しさと特性を最大限に引き出すため、自然の風と日差しの下で1年半から2年の長い期間をかけて乾燥させます。乾燥が完了した木材は、こけしの製作に適したサイズにカットする木取りの工程に進みます。
職人技が必要な
粗磨きと仕上げの磨き
木取りを経て形が整った原木は、ろくろを用いた精密な加工工程に入ります。この段階で行われるのが粗磨き、すなわちろくろ削りというもので、こけし製作の醍醐味ともいえる重要な工程であり、一人前になるためには約10年の歳月を要するともいわれています。仕上げの磨きでは、木目や形状の最終的な調整を行いながら、塗装や装飾が施しやすい状態に仕上げていきます。
木の素材に生命を宿す
絵付けと塗装
絵付け、塗装は、無機質な木の素材に生命を吹き込む、非常に重要な工程です。仕上げの磨きが施されたこけしの表面は、滑らかで塗料が均等にのりやすい状態になっており、ぼかしと濃淡を駆使して、こけしの顔や装飾に微妙な表情を加えていきます。技術だけでなく感性や経験が求められる作業であり、目や口、着物の模様など一筆一筆がこけしの個性を生み出してまいります。